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残業問題Q&A

経営が苦しいので、割増賃金を支払わないこととしてよいでしょうか?

派遣労働者からの労働時間に関する苦情があった時、派遣元はどうしたらよいでしょうか?

外勤の営業の方には残業代を払わなくてもよいですか?

法定休日はあらかじめ決めておくべきですか?

1日6時間、週に3日働くパートタイマーが1日10時間働いた場合は割増賃金対象か?

残業が月80時間の労働者が健康不安を訴えています。会社として措置は?


深夜に徹夜で残業中、仮眠時間を設けた場合も割増賃金の支払が必要か?


遅刻した人が残業した場合にも割増賃金の支払いが必要ですか?

労働者が9人以下の事業所で1カ月単位の変形労働時間制を取る場合は?

代替休暇の時間数に生じる端数処理はどのようにすればよいですか?

フレックスタイム制をとっている場合は、時間外働時間数はどのように計算すればよいですか?

かけもちで他社で6時間働いている者については、当社で何時間働かせることができますか?

割増賃金を定額で定めてもよいですか?

他の週に休日を振り替えた結果、その週の労働時間を超えた時は割増賃金になりますか?

深夜緊急で呼び出して労働させた場合の割増賃金の支払いはどうなるのですか?

タイムカードの打刻時間と実態にズレがあるときはどうすればよいですか?

1カ月単位の変形制において法定労働時間を超える日や週について、労働時間の限度はありますか?

特別条項は36協定届のどこへ書けばよいのでしょうか

36協定があれば、労働者に残業命令を出せますか?

残業時間の計算は、30分未満を切り捨ててもよいのでしょうか?

労働者が自発的に残業した場合も、労働時間として扱う必要がありますか?

営業社員にみなし労働時間制を適用して残業手当を一定額にできますか?

みなし労働時間の時間外労働割増賃金

1年単位の変形労働時間制を年度途中でやめて、原則的な労働時間制に戻すことはできるか?

残業時間を積み立てて休日と相殺できるか?

残業60時間を超えると5割以上の割増賃金

待機時間の残業手当は?

1時間遅刻してきた労働者に、その日1時間残業させると、割増は必要か?

直行直帰で仕事をした場合の残業手当の支払いは?

残業手当てを定額で支払うことはできないか?

 年棒制を採用している場合の割り増し賃金の支払いは?

残業時間を計算するのに面倒なので15分か30分単位で四捨五入したいと考えています。問題ありますか?

1ヵ月の残業時間に上限を決めることはできないでしょうか?

振り替え休日した日に出勤した場合の取り扱いについては?

残業時間を労働者の自己申告制にしたいのですが?

当社では1時間単位でしか残業時間を認めていませんが問題ありますか?





経営が苦しいので、労使合意のうえ、当分の間、割増賃金を支払わないこととしてよいでしょうか?


 
 

労働基準法の規定は、労使の合意によってもその適用を回避することはできませんので、法定の割増賃金を支払わなければ法に違反し無効です。






派遣労働者から「派遣先で、就業条件明示書に記載された時間外労働の時間数よりも長い残業をさせられている」との苦情がありましたが、派遣元としてはどうしたらよいでしょうか?


 
 

派遣先が派遣労働者に時間外労働や休日労働をさせることができるのは、派遣元で締結・届出をした時間外・休日労働に関する協定(36協定)の範囲内に限られています。派遣元としては、派遣先に対して是正を求める必要があります。

なお、派遣先が協定で定めた内容に反して残業をさせていることを知りながら黙認していると、派遣先のみならず派遣元も労基法違反として処罰の対象となります。






会社の指示どうり、社外の取引先を回る営業職の方が毎日約10時間働いています。また、その日の業務内容を営業日報で提出してもらっています。この場合、「みなし労働」にあたるため、残業代の支払いをしなくてもよいでしょうか?


 
 

労働基準法は、労働者が職場の外で働いた場合で、会社側が労働時間の算定が困難なときは、実際の労働時間に関わらず、決まった額の賃金しか支払わない「みなし労働時間制」を適用できることを定めています。これは労働者が一定時間を働いたものとみなす制度です。

それでは、どういった場合に労働時間の算定が困難と言えるでしょうか?

海外旅行の派遣添乗員について、みなし労働時間制の適用を認めず、派遣会社が添乗員に残業代を支払うとする判決が最高裁で出されました。

◇あらかじめ定められた旅程の管理業務を行うことを、会社側から具体的に指示されていた。
◇途中で旅程に変更が生じた場合は指示を受けることになっていた。
◇旅行終了後、日報で仕事の詳細な報告をすることなっていた。

これらの条件から、会社側は勤務状況を具体的に把握することができたと判断。業務の性質なども総合判断して、会社側の「労働時間の把握は難しい」とする主張は退けられました。

質問のケースでは、社員は会社の指示で動き、営業日報の提出を義務づけているのであれば、裁量は少なく、会社は勤務状況を把握することが可能であるとみなされるでしょう。

よって、みなし労働時間制は適用されず、会社は労働時間に応じた残業代を支払わなければなりません。






35%以上の割増賃金を支払う対象となる法定休日はあらかじめどの日か決めておくべきですか?


 
 
法定休日(原則1週1休)は必ずしも休日を特定することを義務づけているわけではありません。

しかし、法定休日と法定外休日とで異なる割増率を設けている場合には、就業規則などで単に「1週に1日」ではなく、具体的に一定の日(毎週日曜日など)を法定休日と定めるほうが望ましいでしょう。





1日6時間、週3日働くパートタイマーに、先日10時間働いてもらいました。割増賃金を支払わなければなりませんか?


 
 
 

法定労働時間(1日8時間、1週40時間※一定の条件では44時間)を超えて働かせることができるようにするには、あらかじめ就業規則などで時間外労働の命令に従うべき義務があると定めるとともに、36協定の締結・届出をしておく必要があります。

業務の都合で法定労働時間を超える時間外労働をさせることになった場合は、割増賃金を支払わなければなりません。

このケースでは、1週40時間に満たないものの、1日の法定労働時間8時間を超えた2時間について、時間外労働としての割増賃金の支払いが必要です。





月の残業時間が80時間を超えている労働者が健康上の不安を訴えています。会社として、どのような措置を取らなければなりませんか?

 


 
 
 月の残業時間が100時間を超えていないので、医師による面接指導を行う義務はありませんが、80時間を超えているので、面接指導に準じた措置をとるように努めなければなりません。
 例えば、次のような措置が考えられます。

①労働者に対して保健師などによる保険指導を行う。
②チェックリストを用いて疲労蓄積度を把握し、必要な者には面接指導を行う。
③事業場の健康管理について、事業者が産業医等から助言指導を受ける。





徹夜で残業をさせ、深夜の時間帯に3時間仮眠時間を設けた場合、この仮眠時間についても割増賃金を支払わなければなりませんか?

 


 
 
 仮眠時間が手待ち時間ではなく、労働から完全に解放されている時間と認められる場合には、その時間を差し引いた時間についてのみ、割増賃金を支払えば足ります。




遅刻した者がその日に残業した場合も、残業時間に対する割増賃金の支払いが必要ですか?

 


 
 
 

労働基準法上、時間外労働の割増賃金の支払いが義務づけられているのは、実労働で法定労働時間(8時間)を超える労働です。

 したがって、遅れて来た場合は、その日の業務開始以降の実労働時間で8時間を超えた部分についてのみ割増賃金を支払うことになります。 






労働者が9人以下の事業所で1カ月単位の変形労働時間制を取る場合は、必ず労使協定によらなければなりませんか?

 


 
 
 

労働者が9人以下の事業場では、1カ月単位の変形労働時間制の導入にあたっては、労使協定の締結・届出の方法によるほか、就業規則またはこれに準ずるものに規定し周知する方法も認められています。

 なお、この準ずるものに関し、9人以下の事業場においては、就業規則の作成・届出義務はありませんが、就業規則を作ることはむしろ望ましいことです。





代替休暇の時間数に生じる端数を切り上げたり切り下げたりすることはできませんか?

 


 
 
 

例えば月60時間以下の時間外割増賃金率25%、月60時間を超える時間外割増賃金率50%としている事業場で月85時間の時間外労働をさせた場合、代替休暇の時間数に1日または、半日に満たない端数が生じます。

(85-60)×(50%-25%)=6.25時間

この場合に、代替休暇の時間数を切り上げまたは切り下げで端数処理をすることはできません。基本的な処理方法は以下の二つです。

 ①端数の時間分を50%の割増賃金で支払う

②他の有給休暇と合わせて1日または半日単位の休暇とする





フレックスタイム制をとっている場合は、時間外働時間数はどのように計算すればよいですか?

 


 
 
 フレックスタイム制の場合は、清算期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間が時間外労働となります。したがって、この時間外労働となる時間数を1カ月の起算日から、累計して計算します。 





かけもちで他社で6時間働いている者については、当社で何時間働かせることができますか?

 


 
 
 2社以上かけもちで働く労働者についても、1日の労働時間は通算して8時間を超えてはならないのが原則です。
 他社で6時間働いた者についてはあと2時間働かせることができますが、それ以上の労働は時間外労働となります。





割増賃金を定額で定めてもよいですか?

 


 
 
割増賃金を定額制にすること自体は直ちに違法とはなりません。
 ただし、労働者に支払われた割増賃金が、法で定められた計算方法で算定した実際の割増賃金の額を下回らないようにしなければなりません。下回っている場合には、その差額分を別途支払う必要が生じます。




他の週に休日を振り替えた結果、あらかじめ定めたその週の労働時間を超えた場合も割増賃金を支払わなければなりませんか?

 


 
 
例えば、1カ月単位の変形制で事前に定めた週の労働時間が40時間の週から、48時間の週へ休日を振り替えても、変形期間内の総労働時間に変動はありません。
 しかし、40時間とあらかじめ協定で定めた週については、休日の振替によって労働時間が増え、40時間を超えることになりますから、その部分は、時間外労働として、割増賃金を支払わなければならなくなります。






深夜緊急で呼び出して労働させた場合の割増賃金の支払いはどうなるのですか?

 


 
 
1日の労働時間は、原則として暦日(0:00~24:00)で考えます。
 例えば、深夜午前1:00に呼び出して労働させた場合、前日の労働の延長ではなく、当日の始業・終業時刻が繰り上がったものと考えられます。
 したがって、午前1:00から午前9:00までは、その日の法定労働時間となり、午前9:00以降の労働は時間外労働ということになります。



タイムカードの打刻時間と実態にズレがあるときはどうすればよいですか?

 

 

 まず、労働者に適正なタイムカードの打刻について、徹底を図ることが必要でしょう。そのうえでズレがあるとのことであれば、労働時間の算出にあたっては、例えば残業命令書やこれに対する報告書などと突合することが必要でしょう。





1カ月単位の変形制において法定労働時間を超える日や週について、労働時間の限度はありますか?

 

 

 1カ月単位の変形制では、平均して1週あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場では44時間)以内におさまればよいので、とくに1日または1週の労働時間について限度が設けられているわけではありません。
 もっとも、例えば1日15時間という労働時間が妥当かどうかは、安全・健康等の面からも配慮する必要があります。




特別条項付き協定を締結した場合、36協定届を提出するときに、特別条項はどこへ書けばよいのでしょうか?

 

 

 特別条項に関する記載は、36協定届の欄外の空いているところに付記してもよいです。
 また、「協定書」を別紙として添付してもかまいません。




36協定があれば、労働者に残業命令を出せますか?

 

 

 36協定が適法に締結・届出されただけでは、法定労働時間を超えて残業をさせることについて使用者が処罰されないというにすぎず、まだ労働者には残業命令に服すべき義務は生じていません。
 労働者に残業を命ずるには、労働契約や就業規則などに、残業命令に従うべき義務がある旨の規定を設けておくことが必要です。





残業時間の計算は、30分未満を切り捨ててもよいのでしょうか?

 

 

 1カ月の残業時間の合計を計算する場合に、30分未満を切り捨てて、30分以上を1時間として切り上げることは認められます。
しかし、1日の残業時間を計算する場合には、1分単位でも時間を切り捨てることはできません。





労働者が自発的に残業した場合も、労働時間として扱う必要がありますか?

 

 

 使用者が黙認している場合など、使用者の指揮監督のもとに行われていると認められる場合には、労働時間として扱う必要があります。 




営業社員にみなし労働時間制を適用して残業手当を一定額にできますか?

 

 

 

営業社員の事業所外労働は、労基法第38条の2の「みなし労働時間制により所定労働時間働いたもの」とみなされるという規定を適用できます。また、営業社員は通常時間外労働があることから、労使協定により協定した時間分の残業手当を支払う方法も可能です。

規定の例:「営業担当職員に対しては、みなし労働時間に関する協定の定めるところにより労働したものとみなし、当該協定により時間外労働に対する割増賃金を支払う。」

ただし、使用者が具体的な指揮監督が及んでいるような下記の場合は適用できないので注意が必要です。

①何人かのグループで働いている場合で、そのメンバーの中に労働時間を管理する者がいる場合
②携帯電話等で、随時使用者の指示を受けながら、「随時会社の指示どおりに動いて」いる場合
※携帯電話を持っていて、会社と連絡が取れるからといってみなし労働時間制の適用がないわけではありません。
③事業場において、訪問先、帰社時間等当日の具体的指示を受けた後、事業所外で指示どおりに業務に従事し、その後事業場に戻る場合

 

 

みなし労働時間の時間外労働割増賃金
 1日の所定労働時間が8時間で、10時間のみなし労働時間の適用をしている営業社員が、1日中内勤の仕事をして所定の8時間で終了した日についても、1日10時間とみなして時間外労働割増賃金を支払わなければならないのか?

 

 
 1日中内勤であれば、みなし労働時間制を適用する余地がない。



 1年単位の変形労働時間制を年度途中でやめて、原則的な労働時間制に戻すことはできるか?

 

 
 法律上の規定はないが、年度途中で入・退社した場合、その期間の所定労働時間が週平均40時間を超えた場合働きすぎたことになるので、週40時間を超えた分については時間外労働として割増賃金を支払って精算する必要があるのと同様に、精算すれば問題はないと考えられる。
 なお、その期間の所定労働時間が週平均40時間を下回っていた場合に、支払った賃金からその分を返還させることはできない。





 残業時間を積み立てて8時間となった場合にその分を休日を与えて相殺することは違法か?

 

 
  残業時間を積み立てて8時間になった為、1日休日を与えて残業時間と相殺することは違法。残業には残業手当を支払わなければならない。





 改正労基法の「時間外労働が60時間を超えた場合」の解釈で、質問があります。時間外労働のカウントには、一般に休日労働時間数は含みません。「法定休日、法定外休日の違いに係わらず、3割5分増しの割増賃金を支払う」と定めた場合、法定外休日労働の取扱いはどうなるのでしょうか?

 

 
 平成22年4月1日施行の改正労基法第37条第1項ただし書きでは、「延長して労働させた時間が1か月について60時間を超えた場合においては、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と規定しています。(中小企業は当分の間、適用猶予)
  時間外・休日労働(36)協定では、「延長することができる時間数」と労働させることができる休日数」を別に定めます。 協定様式の記載心得では、休日欄に「労基法第35条の規程による休日であって労働させることができる日を記載する」よう注意を促しています。
  ただし、「延長時間に休日における労働時間を含めて協定する」ことは可能とされています。(平11・1・29基発第45号)
 時間外労働数と休日労働数を別に定めている場合、「休日労働に該当した労働時間の中に入れて計算することはない。ただし、ここでいう休日労働とは法定休日労働である」(安西愈「採用から退職までの法律f実務」)と解釈されます。
 改正法により、時間外労働が60時間を越えると5割り増し以上の割増賃金の支払いが義務付けられます。法定外休日労働が発生した場合、「法定休日労働の3割5分増しの賃金を払う」ことで、時間外労働の一部を休日労働のカウントに含めることができれば、賃金負担を軽減できます。
 しかし、解釈例規(平21・5・29基発第0529001号)では、「労基法第35条に規程する週1回または4週4日の休日(法定休日)以外の休日(所定休日)における労働は、それが法定労働時間を越える場合には時間外労働に該当するため、1ヶ月について60時間の算定対象に含めなければならない」とクギを指しています。
 法定外の休日について3割5分増し以上の割増賃金を支払う」と協定で定めても、「法定休日」の日数は増えません。





 
待機時間の残業手当は?

所定労働時間終了後、会議に出席するよう労働者に命じたが、会議開始時間まで時間が数時間あるため時間をつぶさせたが、残業手当はどのように支払うべきか。

 

 
待機している時間を休憩時間とみるか休息時間とみるか、又は手待時間とみるかによって異なってくるが、一般的には休憩時間又は休息時間と考えられる。したがって、残業手当の対象時間にはならないと考える。




 

1時間遅刻してきた労働者に、その日1時間残業させると、割増は必要か?

1時間遅刻してきた労働者に、その日1時間残業させたが、時間外割増賃金は支払わなければならないか。

 

 
総労働時間は所定労働時間に収まっているので、時間外割増賃金は不要である。






直行直帰で仕事をした場合の残業手当の支払いは?

自宅から直行直帰で建設現場の監督に行かせた場合、残業時間の把握ができないので、残業手当を支払わなくてもよいか。現実には多少は残業があるので、支払うとしたらどのように支払ったらよいか。

 

 
通常は、事業場外労働ということで、所定労働時間労働したものとみなすことになるので残業手当は必要ない。しかし、その業務を行うときは大抵残業が付きものであるという場合はその時間を含めて労働したものとみなすことになるので、労基法第38条の2第2項の「事業場外労働に関する協定」を締結して、「現場作業の日は1日9時間労働したものとみなす」ということにして、1時間分残業手当を支払うというのが合理的と思われる。






残業手当てを定額で支払うことはできないか?

 

 
定額で支払うためには①定額分が労基法第37条で定めた計算方法による割増賃金額を下回らないこと②そのため定額分を超える実績に対しては不足額を支払うこと、の2点が必要。したがって、割増賃金が定額であることを賃金規則に明示して周知し、毎月の実際の残業時間と定額残業分とを比較して不足している場合は差額を支払うという措置を講じる場合は可能。


 



年俸制を採用している場合の割り増し賃金の支払いは?

当社では、年俸制を採用しており、年俸額を12等分した金額を毎月支給しています。この場合、時間外労働手当等の割り増し賃金は、支払わなくても問題ないのでしょうか。

 

 
年俸制の労働者であっても、それだけで時間外労働手当等の割り増し賃金を支払わなくてよいわけではありません。ただし、その年俸制の労働者が、管理監督者に該当する場合には、時間外労働、休日労働の割り増し賃金の支払い義務はありません。

 労働基準法では、年俸制の場合に限りませんが、「監督もしくは管理の地位にある者」(管理監督者)に対しては、時間外労働、休日労働の規定は適用されないこととされています。年俸制は、管理監督者に対して適用されることが多いでしょうから、年俸制の労働者が、管理監督者に該当する場合には、時間外労働、休日労働の割り増し賃金の支払い義務はありません。
 ただし、管理監督者の場合であっても、深夜労働の割り増し賃金については、支払い義務があります。

 管理監督者とは、「一般的には、局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者の意であるが、名称にとらわれず出社退社等について厳格な制限を受けない者について実体的に判別すべき者であること」とされ、就業規則の規定や職制上の役付者であればすべてが管理監督者として認められるものではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様、賃金等の待遇面等から総合的に判断する必要があります。
 裁判などでは、かなり厳格に判断される傾向にありますので、管理監督者に該当するかどうかについては、注意する必要があります。

 年俸額に、あらかじめ時間外労働等の割り増し賃金部分を含めて支給する方法をとることがあります。それ自体は、違法ではありませんが、割り増し賃金部分が明確に区分されていることが必要となります。
 また、実際に行った時間外労働等の時間数が、あらかじめ定められた割増賃金部分に対応する時間外労働等の時間数を超える場合には、その超える部分について、別途、割増賃金を支払う必要があります。






残業時間を計算するのに面倒なので15分か30分単位で四舎五入したいと考えています。問題ありますか?
残業時間は1分単位で把握し、それに見合った残業手当を払わないと違反になるのですか。
賃金計算を簡便にするため15分単位あるいは30分単位で四舎五入することは認められないのですか。

 

 
時間外労働等の時間数の把握については、厳密に行うことが求められています
一方、割増賃金の計算に当たっての端数処理については、1時間当たりの賃金額に円未満の端数が生じた場合や時間外等の1ヶ月総労働時間数に1時間未満の端数がある場合に四捨五入することが認められています。
ただし、日々の時間外労働等の時間数を15分単位や30分単位で四捨五入することは認められておらず、切り上げだけが可能である。したがって、このような取り扱いに適合することが必要になります。




1ヵ月の残業時間に上限を決めることはできないでしょうか?
当社では、残業時間抑制のため、1月の残業時間に上限を設けて、社員がそれ以上に残業しても残業とは認めていません。
これを緩めれば、残業が益々増えることになります。
これからも続けたいのですが、労働基準法では何か問題がありますか

 

 
1月の時間外労働に上限を設けて、それ以上の時間外労働について時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとなります。重要なことは、業務のあり方や業務推進体制を見直し、時間外労働を減らすことです。




振り替え休日した日に出勤した場合の取り扱いについては?
当社では、振り替え休日の制度があり、休日を振り替えることが時々あります。
その後業務の都合で、振り替えられた休日に社員に出勤してもらわなければならない時がありますが、この場合には休日手当を支払わなければなりませんか?

 

 
振り替え休日の場合、振り替えられた休日が休日となり、当該休日には休日労働手当を支払わなければなりません。




残業時間を労働者の自己申告制にしたいのですが?
労働時間管理については、かなり手間が掛かることから、当社では残業について自己申告制にし、残業時間の申告や残業代の請求などを労働者自身に委ねたいと考えたいと考えています。
このほかに、手間の掛からない効率的な方法があったら、教えてください。

 

 
労働時間の管理をすべて労働者に委ねようとするやり方はサービス残業の温床となるもので認められません。
時間外労働や休日労働を適正に把握し、これに基づいて、時間外・休日労働手当を支払うことは使用者の義務になります。

*使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法の原則は、使用者が自ら現認するか、又はタイムカード、ICカード等の客間的な記録を基礎とするかのいずれかです。
 仮に始業・終業時刻の確認・記録の方法が自己申告によらざるを得ない場合には、正確な労働時間の申告・把握を阻害する要因、例えば、部署ごとに残業手当の予算が定められていたり、残業時間の削減に関する社内通達が申告時間の上限を定めたものであるとの暗黙の了解があったりするなどの場合には、その解消を図る必要があります。また、正確な申告を行ったことに対し、不利益を受けることのないような配慮も必要です。




当社では1時間単位でしか残業時間を認めていませんが問題ありますか?
当社では、残業時間について、1日1時間以上の残業をした場合に限って残業と認め、残業手当を支払っています。社員からは、特に不満の声は聞かれませんが、問題がありますか。

 

 
法定時間外労働については25%以上の割増賃金の支払いが義務づけられており、時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとして、労働基準法に違反します。
法定時間外に当たらない所定時間外に労働させた場合の賃金不払いについても同様です。

*法定時間外労働については、25%以上の割増賃金の支払いが使用者に義務づけられており、1日1時間以内の時間外労働について時間外労働手当を支払わないことは、賃金不払いとして、労働基準法に違反します。
 なお、法定時間外に当たらない所定時間外に労働させた場合には、「原則として通常の労働時間の賃金を支払わなければならない。ただし、労働協約、就業規則等によって、その1時間に対して別に定められた賃金額がある場合にはその(別に定められた賃金額で差し支えない)」とされており、この賃金を支払わない場合にも賃金不払いとなります。