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労働審判制度


労働問題および労使紛争が発生した場合の実務

労働審判制度(労働審判法)

突然の解雇や雇い止め、賃金・残業手当・退職金の未払い等々、増加する労働者個人と事業主との争い(労働紛争)の迅速な(短期間の)解決を目指すため、法制度改革のひとつとして生まれ、2006年4月1日からスタートした日本で初めての訴訟と調停の中間的な位置づけの個別労働紛争を専門的に扱う初の司法機関(裁判手続き)で、全国50の地方裁判所本庁に設けられた。

◆厚生労働省のまとめによると、都道府県におかれている労働局に寄せられた個別労働紛争の相談の内訳は、解雇に関する相談、ついで労働条件の引き下げ、残業問題等である。

◆労働審判制度による調停は増加しており、民事訴訟により費やされる時間と金のかかる裁判は敬遠される傾向にある。

◆労働審判制度は地方裁判所への申し立てをうけ、労働審判官(裁判官)と労働審査員(労働者と使用者側から任命)の計3人で労働審判委員会が構成され、最高裁判所が、労働関係の知識を持っている者の中から労働審判委員を任命する

◆事件ごとに3人制の労働審判委員会は、紛争のポイントを整理し、証拠を調べ、3回の「期日」(民事訴訟の口頭弁論にあたる)以内に解決をはかることを原則としている。

◆労働審判では、3,4か月を目途として早期解決を目指すが、この期日で証拠調べができない複雑な争いなどは、労働審判になじまないものとして途中で手続きが終了することとなり、この場合、労働審判の申し立てを訴訟の提起と見なして通常の裁判(民事裁判)に移行される。

◆紛争の解決方法は、まず、話し合いによる解決(調停)を試み、これで解決されない場合は、審判(判決)をだすことになり、審判は、委員会を構成する3人の多数決によって決められる。

◆調停や審判は確定判決と同一の法的拘束力をもち、当然、相手側がこれに従わないときには、強制執行ができる

◆審判から2週間以内に異議の申し立てがあった場合は失効し、紛争の解決は自動的に通常の訴訟に移行されるが、その際、労働審判の結論と同じ結果が出る可能性が高いと考えられていることから、この仕組みによって労働審判の受け入れを当事者に促すこととなる。

◆パートやアルバイト、派遣労働者も、申し立てることができ申し立てから40日以内に審判を始めることが義務づけられている。

◆労働審判制度の問題点の一つが、解雇が無効と判断され、労働者本人が職場復帰を望んでいる場合にも、金銭補償による審判を出せることを否定していないことにある。